- 02. Oct 2024 |プレスリリース
日本の水産マーケットに潜むリスク対策強化を!IUU(違法・無報告・無規制)漁業や水産現場での人権侵害についての対策を求める 共同宣言書を国内水産企業 13 社とともに発表
IUUフォーラムジャパン(WWFジャパン、株式会社シーフードレガシー、一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局 ほか)は、2024年9月30日、水産庁に対し、IUU(違法・無報告・無規制)漁業によって調達された水産物の国内市場への流入防止強化を求める共同宣言書を水産物流通に携わる国内主要企業13社ととともに提出しました。
IUU漁業とは?
IUU漁業は、持続可能な水産資源の利用や海洋生態系の破壊をはじめ、水産業で働く人々の公正な経済活動を阻む国際課題です。SDGsの目標14の中にもその撲滅がうたわれており、世界の国や地域で対策が取られています。
世界有数の水産物輸入市場である欧州連合(EU)や米国では、IUU漁業に由来する水産物を自国市場で流通させないようにするため、15年ほど前から規制を実施しています*1。しかし、行き場を失ったそのような水産物が日本に流入するリスクが増大し、2017年には日本の輸入水産物のうち24〜36%がIUU 漁業に由来すると推定されました。
こうした状況を受け、日本でも 2022年に「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」(水産流通適正化法)が施行され、現在7魚種(イカ、サンマ、サバ、マイワシ、アワビ、ナマコ、シラスウナギ)が規制の対象となっています。
共同宣言書の概要
水産流通適正化法は2年ごとに内容が見直されることになっており、2024年9月より、水産庁が有識者による推進会議を開催しました。共同声明は、国内の14の企業や団体が署名し、同会議と水産庁に対し、さらなる規制強化、そのための技術開発に加え、国際社会との連携を求めています。「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」の強化をはじめとしたIUU漁業および人権侵害対策の更なる改善を求める共同宣言書」の本文は以下を参照ください。
「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」の強化をはじめとしたIUU漁業および人権侵害対策の更なる改善を求める共同宣言書の本文はこちら(344kb)
プレスリリースはこちら(191kb)
IUUフォーラムジャパン 植松周平(WWFジャパン IUU漁業対策マネージャー)のコメント
世界有数の水産物輸入市場である日本が、2022年に水産流通適正化法を施行したこと、さらに今年9月、水産庁が『水産流通の適正化推進会議』においてIUU漁業由来の水産物の流通防止策について有識者による検討を開始したことは、水産大国日本の責任を果たす上で大きな前進です。規制強化が進む欧米で受け入れられないブラックな水産物が日本市場に流入することを防ぎ、日本の食卓と水産業を守るために、日本でも IUU漁業対策強化を緊急に実施する必要があります。一方、複合的な要因が絡み合うIUU漁業の問題には、もはや一企業だけでは対処はできず、国、企業、NGO等が一丸となって取り組んでいくことが必要です。この度、IUU漁業撲滅を願う日本の主要ステークホルダーとともに本宣言書を提出できたことは、画期的な事柄であり、IUU漁業対策強化をめざす政府の大きな後押しになることを期待しています。
*1 欧州連合(EU)では「IUU 漁業規則」が2010年に、アメリカ合衆国ではSIMP(Seafood Import Monitoring Program)が2018年に施行
IUU漁業とは?
IUU漁業は、持続可能な水産資源の利用や海洋生態系の破壊をはじめ、水産業で働く人々の公正な経済活動を阻む国際課題です。SDGsの目標14の中にもその撲滅がうたわれており、世界の国や地域で対策が取られています。
世界有数の水産物輸入市場である欧州連合(EU)や米国では、IUU漁業に由来する水産物を自国市場で流通させないようにするため、15年ほど前から規制を実施しています*1。しかし、行き場を失ったそのような水産物が日本に流入するリスクが増大し、2017年には日本の輸入水産物のうち24〜36%がIUU 漁業に由来すると推定されました。
こうした状況を受け、日本でも 2022年に「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」(水産流通適正化法)が施行され、現在7魚種(イカ、サンマ、サバ、マイワシ、アワビ、ナマコ、シラスウナギ)が規制の対象となっています。
共同宣言書の概要
水産流通適正化法は2年ごとに内容が見直されることになっており、2024年9月より、水産庁が有識者による推進会議を開催しました。共同声明は、国内の14の企業や団体が署名し、同会議と水産庁に対し、さらなる規制強化、そのための技術開発に加え、国際社会との連携を求めています。「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」の強化をはじめとしたIUU漁業および人権侵害対策の更なる改善を求める共同宣言書」の本文は以下を参照ください。
「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」の強化をはじめとしたIUU漁業および人権侵害対策の更なる改善を求める共同宣言書の本文はこちら(344kb)
プレスリリースはこちら(191kb)
IUUフォーラムジャパン 植松周平(WWFジャパン IUU漁業対策マネージャー)のコメント
世界有数の水産物輸入市場である日本が、2022年に水産流通適正化法を施行したこと、さらに今年9月、水産庁が『水産流通の適正化推進会議』においてIUU漁業由来の水産物の流通防止策について有識者による検討を開始したことは、水産大国日本の責任を果たす上で大きな前進です。規制強化が進む欧米で受け入れられないブラックな水産物が日本市場に流入することを防ぎ、日本の食卓と水産業を守るために、日本でも IUU漁業対策強化を緊急に実施する必要があります。一方、複合的な要因が絡み合うIUU漁業の問題には、もはや一企業だけでは対処はできず、国、企業、NGO等が一丸となって取り組んでいくことが必要です。この度、IUU漁業撲滅を願う日本の主要ステークホルダーとともに本宣言書を提出できたことは、画期的な事柄であり、IUU漁業対策強化をめざす政府の大きな後押しになることを期待しています。
*1 欧州連合(EU)では「IUU 漁業規則」が2010年に、アメリカ合衆国ではSIMP(Seafood Import Monitoring Program)が2018年に施行